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特集特集

子どもの安全を守ろう

ひろしま交通事故防止キャンペーン (1)子どもに優しい運転

交通事故から子どもの命を守りたい─。ひろしま交通事故防止キャンペーンとして、子どもの交通安全対策の事例やアイデアなどを6回にわたって紙面で掲載します。第1回のテーマは「子どもに優しい運転」。車を安全に運転し、子どもを巻き込む事故を起こさないためのポイントについて、広島県安全運転管理協議会の奥村豊事務局次長に聞きました。

「かもしれない」
危険 常に予測を

広島県安全運転管理協議会ではどんな活動をしていますか。

1965年に創設された安全運転管理者制度では、一定台数以上の自動車を所有する事業所に対して、安全運転の指導や運行計画を作成する安全運転管理者の選任が義務付けられています。 当協議会は県内約1万100事業所の安全運転管理者、約1万2千人を対象とする講習会を年72回実施。安全運転管理者の資質向上を図っています。このほか、警察や行政、交通安全協会と連携し、交通安全の意識啓発のためのイベントやPRにも取り組んでいます。

広島の交通事故の現状や運転者が気を付けるべき点は。

5月13日時点で県内で今年、発生した交通事故は2609件(概数)で、前年同期比496件減(同)です。しかし、死亡者数は39人と前年同期比9人も増えています。死亡者の7割は高齢者で歩行中の事故が目立ちます。
当協議会は、他の運転者や歩行者が交通ルールを守らない場合でも、起こり得る危険を予測しながら事故を防ぐ「防衛運転」を呼び掛けています。そのためには、危険を回避できる状態を積極的につくる必要があります。
例えば、歩行者の近くを通過する際に対向車が来ているような場面では、減速して対向車を通過させた後、歩行者との間隔を十分に空けます。時間的かつ空間的に自分の動きを考え、相手との距離を確保するのが基本です。

子どもの交通事故の特徴や対策法を教えてください。

子どもの場合、飛び出しによる事故が顕著です。渋滞時に対向車線の列から子どもが飛び出したり、駐車車両の陰からボールを追って飛び出したりするといった事例があります。通学路、公園など子どもが多い場所では徐行すべきです。ガードレールがなく、歩道と車道が明確に分かれていない狭い道では特に注意が必要です。
県内のある事業所では、所在地周辺の地図に幼稚園や保育所、小学校、中学校を書き込み、子どもの飛び出しがあった場所や子どもがよく遊んでいる場所にマークを付け、食堂に掲示し、事故防止に努めています。
さらに、駐車場などでの発進時や後退時に車の前後にいる子どもを見落として事故が起こるケースもあります。車に乗り込む前に車の周囲に子どもはいないかどうかを必ず確認しましょう。 バックで発進する際は、バックモニターだけなく、自分の目で安全を確認し、いつでも止まれるスピードでバックするようお勧めします。
このほか、信号機のない横断歩道でも注意が必要です。子どもは手を上げれば車が止まってくれるものと思い込み、車の停止を確認する前に横断を始める場合があります。横断歩道で子どもが待っている場合は、まず車を停止させ、横断させてください。

子どもの自転車事故はいかがですか。

子どもの自転車事故で多いのが、一時停止をせずに交差点に進入し、車と衝突する事故です。交通ルールに未熟な子どもは一時停止標識があっても一時停止をせず、安全確認もせずに交差点に進入するケースが少なくありません。自動車側が優先道路の場合も漫然と運転するのではなく、見通しの悪い場所では徐行や一時停止を行ってください。
複数の自転車の並走は原則として禁止されているものの、子どもが友人らと並走し、会話に夢中になるなどして、急に車の前に飛び出してくるケースも報告されています。「車に気が付いているだろう」でなく、「もしかしたら飛び出してくるかもしれない」と考えるといった「かもしれない」運転を心掛けましょう。

事故防止のために力を入れていることは何ですか。

重大事故につながる危険性の高い夜間の交通事故の対策も重視し、早めのライト点灯と上向きライトの活用を呼び掛けています。
時速60キロで走行する場合、下向きライトでは40メートル先の歩行者を発見しても、手前で停止し、衝突を回避するのは困難です。上向きライトなら100メートル先の歩行者を発見できます。走行時のライトは上向きが基本で、対向車や先行車がある場合は下向きにします。一方、歩行者は夕暮れ時や夜間にLEDライトや反射材を活用することが大事です。
当協議会は、事業所を「街の交通安全ステーション」と位置付け、事業所と地域、学校、家庭が連携して、事故防止の活動を推進するよう働き掛けていきます。

久保田 康幸 管理官

広島県安全運転管理協議会
事務局次長
奥村 豊 さん

企画・制作 中国新聞備後本社、事業情報センター


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